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プライベート・ロジック。

ロジックというのは誰にでもわかるものとして存在するのだろうが、案外とてもプライベートなもの、という印象がある。

多くの人が納得する展開に落とし込まれているとしても、ではそのロジックをどこからスタートさせ、途中にどんなファクターを配置するのか、その選びかたや並べかた、結論にいたる筋道の作りかたなどはすべて、ひとそれぞれで大いに異なるはず。

逆を言うと、どんなロジックであろうとそこにその人なりの血が通った個性みたいなものがなければ、そこにいきいきとした生命力は感じられないし、つまらないのではないだろうか。

20代の頃、コピーはロジカルに書くものと教わった。それから20年経った今もロジカルさがあってこそテキストは面白くなると思っている。けれど好みを言えば、そのロジックに多少の歪みがある、もしかしたら多少の破綻があるほうが面白いような気もしている。

その意味では、ぼくの好きなロジックというのは、とても人間味のある、ちょっとヘンな匂いのする、非ロジカルものなの、と言えるかもしれない。